硝酸態窒素とは、窒素が化学反応により酸化したものです。
 そもそも窒素は空気中の約80%を占める成分で、環境の中でさまざまに循環しています。
 硝酸態窒素は土や水の中に含まれており、植物の栄養源になる一方で、水質汚染の原因や野菜への残留濃度が問題視されている成分でもあります。

 硝酸態窒素に含まれる窒素(元素記号:N)は、気体元素のひとつで、空気中の約78%の体積を占めています。タンパク質やDNAの原料となり、人体をつくる上でも大切な元素です。地球上の生物の生命維持のために、窒素化合物は欠かせません。

 植物の成長には、窒素が必要不可欠です。
窒素は空気中にたくさん存在しますが、植物は空気中の窒素を吸収できません。
 そのため、植物は土の中に溶けて存在する硝酸態窒素を、根から吸収して成長しています。
農業では農作物の成長をサポートするため、窒素配合の化学肥料が多く使われています。

 硝酸態窒素の過剰摂取によって「発がん性」「メトヘモグロビン血症」の発症が懸念されています。
 硝酸態窒素は、そのままの状態では有害になることはありませんが、体の中で還元反応を起こし「亜硝酸態窒素」になることで、体に影響を与えます。

 亜硝酸態窒素は、胃の中の2級アミンなどと結合し発がん性を有するとの報告があります。

 また、亜硝酸態窒素は体の中で酸素を運ぶ役割である「ヘモグロビン」と結合し「メトヘモグロビン」を生成します。
 メトヘモグロビンは酸素を運ぶ機能がないため、全身に酸素が行き届かなくなる「メトヘモグロビン血症」になり、チアノーゼを引き起こします。